ネギ
ネギの生理的特性
温度
- 発芽適温:25℃
- 生育適温(重量):15~20℃(細谷ら、1967) 秋田県では、6月上旬~7月中旬、9月中旬~10月下旬が生育適期となる。 -生育適温(草丈):25~30℃(門田、1972) 重量よりやや高温となる。 30℃を越えると、出葉速度は落ちないが、葉身が短くなるとともに肥大が不良となり、生育が急激に衰える。
土壌湿度
- 乾燥には非常に強いが、多湿には極めて弱い。 特に、25℃以上の高温、多湿の場合に湿害が生じる(石黒、1967)。 原産地といわれる中国西北部は乾燥農業地帯である。
- 排水性に優れる条件が前提となるが、良好な生育には適度な水分が必要である。
光条件
- 強光条件を好む(島田ら、1991)。 栽植密度が高くなるほど、株重は小さくなる(藤目ら、1995)。 株間の影響が特に大きく、株間が狭いと出葉速度が遅れ、生育が抑制される(本庄ら、2010)。
栄養(肥料)
- 育苗時の肥料も重要である。 1L当たり600mg程度の窒素が入ったネギ専用培土を用いる。
- ネギの生育には株間の影響が大きく、土壌養分がある一定以上の水準であれば、株間が制限要因となり、肥料を多く与えても生育が促進されない(本庄ら、2016)。
- 生育に影響しない必要以上の窒素の施肥は、べと病などの病気の発生を助長することから、窒素の施肥量はネギの生育を遅延させない程度に抑える(本庄ら、2016)。
抽苔(ネギ坊主)
- ネギは、緑植物低温感応型の作物であり、一定の大きさに達した株が、ある一定量の低温に遭遇することで花芽分化し、その後に抽苔する(ネギ坊主が出る)(斎藤、1983)。
- 花芽分化に必要とされる低温要求量や、低温を感応し始める植物体の生育量には、品種による差が大きい(山崎、2014)。
- ネギ坊主の茎の部分は、切断すると葉のように見えるが、実際は花の茎であることから、生育が進むにつれ木化(もっか)して硬くなり、食用には適さなくなる。
作型
越冬大苗7月どり
秋田農試本荘2019寒冷地におけるネギの無加温ビニルハウスでの越冬育苗による夏どり栽培に関する研究
越冬苗8月どり
夏どり(9月どり)
秋冬どり(10月以降)
R4秋田農試ネギ秋冬どり作型における品種の特性
品種
夏扇パワー
高温期の肥大がよい。軟腐病、腐敗病が出やすい。
夏扇4号
大河の轟
項羽
葉枯病(黄色斑紋)に強い。
関羽
太りよいが、さび病に弱い
除草体系
秋田農試R5成果情報ねぎの除草体系
機械化体系
病害虫
べと病
黒斑病
葉枯病
秋田農試R5成果情報秋冬ネギにおけるネギ葉枯病の黄色斑紋病斑に対する防除体系
さび病
白絹病
小菌核病
軟腐病
腐敗病
秋田農試R2ネギの夏どり作型で発生する細菌性病害による腐敗は、葉身底部の膜の亀裂との関係が大きい
R6青森県県内で初めて確認されたBurkholderia cepaciaによるネギ腐敗病の特徴
褐色腐敗病
ネギアザミウマ
ネギハモグリバエ
秋田農試実用化R5秋田県のネギほ場におけるネギハモグリバエB系統の発生状況および有効薬剤