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イチゴ

品種

そよかの

「そよかの」は、多収性で極晩生の「豊雪姫とよゆきひめ」を母とし、食味や果実硬度に優れ、うどんこ病レース0抵抗性をもつ「さちのか」を父とした交配を2008年に行い、その中から選抜した極晩生の一季成り性品種である。商品果収量は「北の輝きたのかがやき」より多く「豊雪姫」と同程度である。寒冷地や高冷地における低温カット栽培などの半促成栽培や露地栽培に適する。 果形は円錐形で揃いに優れ、果皮色は明るい赤色で、収穫後の果皮色の黒変は見られない。果実は「北の輝」より柔らかく「豊雪姫」よりは硬く、果実糖度は中程度、酸度はやや高く、食味は中~やや良である。 東北地方等で発生がみられるうどんこ病レース0に対して抵抗性があるが、萎黄病に対しては罹病性。

豊雪姫

「豊雪姫 (とよゆきひめ) 」は、2005年に盛岡32号 (「北の輝」×「Chandler」) に「カレンベリー」を交雑した実生集団から選抜した一季成り性品種である。「北の輝」と比較すると、大果で果数が多く多収で商品果率が高く、寒高冷地の無加温半促成栽培 (低温カット栽培) および露地栽培に適する。 果形は円錐で果皮色は赤であり、揃いに優れる。そう果の浮きや果実の割れ、空洞は少なく、果色の黒変は見られない。「北の輝」よりBrix.はやや低く、酸度はやや高く、食味はやや優れる。 炭疽病に対しては、発病度と枯死株率が「宝交早生」と同程度であり、中から高い抵抗性、うどんこ病に対しては「とよのか」より発病度が低く、中程度の抵抗性である。 萎黄病には抵抗性を持たないため、発生地では土壌消毒が必要である。

夏のしずく

四季成り品種。‘夏のしずく’ は 2011 年に ‘みやざきなつはるか’ に,06sAB-4e(‘なつあかり’×盛岡30号)を交配して育成したイチゴ品種である.草姿は立性で,草勢は強く,ランナーの発生本数は多い.四季成り性であり,国産イチゴの端境期である夏秋期に収穫できる.‘なつあかり’ や ‘サマーベリー’ より収量が多く,夏期冷涼な立地では 3 t/10 a 以上の商品果収量が見込める.収穫期間を通じた商品果平均 1 果重は ‘なつあかり’ や ‘サマーベリー’ と同程度の約 10 g 前後である.果実は円錐形で,果皮色は赤,果肉色は淡赤である.痩果深度は果皮並で,夏秋どり栽培において問題となりやすい種子浮き(種子が表面に強く突出する状態)は生じにくい.輸送性・日持ち性に関わる果実硬度は ‘なつあかり’ や ‘サマーベリー’ より高く,夏秋期における業務需要に適する.糖度,酸度ともに高く,ケーキなどのスイーツに向く食味である.

病害虫

灰色かび病

大分県におけるイチゴ灰色かび病菌の殺菌剤感受性2022

フルジオキソニル剤(セイビアー),ピラジフルミド剤(パレード),フルオピラム剤(オルフィン),イプロジオン剤(ロブラーム),ポリオキシン剤,及びフェンヘキサミド剤(ジャストミード、ダイマジン)は感受性低下菌率が低く,本病における基幹的防除薬剤として現時点では有効。フェンヘキサミド剤は,これまで現地での使用実績は少なく注目されてこなかったが,今回の試験結果から高い防除効果が見込まれ

QoI剤に対する培地検定の結果,アゾキシストロビン剤及びピラクロストロビン剤は,常用濃度で高い感受性低下菌率を示した。これらの結果から,使用を控えるか,使用する場合は防除効果を確認する等の対策を講じる必要がある。また,この2剤における交差耐 性の傾向が見られた(第6表)。一方,ピリベンカルブ剤は,他のQoI剤2剤と比較して常用濃度では感受性低下菌率は非常に低い値となり,上記の2剤との明瞭な交差耐性は認められなかった(第6表)。これは,作用点であるチトクロームbのQoサイトでの結合部位がピラクロストロビンとピリベンカルブでは異なること(尾崎ら,2014)に由来すると考えられる。 ただし,1ppmにおいて菌糸伸長を示す菌株の割合が多く,今後,現地での使用には注意が必要である。 耐性菌リスクの高いQoI剤については,QoI剤耐性リスクを軽減させる交差耐性を有しない成分との混合剤の開発が進められてきた。本病原菌のピラクロストロビン+ボスカリド剤に対する複合耐性は渡辺(2019)によって報告されており,今回の試験においても同様の結果が得られた

栃木県におけるトマト,イチゴの灰色かび病菌の薬剤感受性 チオファネートメチルの耐性菌率はトマトからの分離菌で95%であったが,イチゴからの分離菌では28%と低かった。また,プロシミドンの耐性菌率は,トマトからの分離菌で34%であった。アゾキシストロビンの耐性菌率は,トマトおよびイチゴからの分離菌でそれぞれ70%,20%であった。また,残り6剤に対する感受性を胞子懸濁ペーパーディスク法で検定した結果では,トマトからの分離菌でボスカリドの感受性低下菌率が45%と,5年前に比べ急激に高まっていることが明らかとなった。

うどんこ病

宮城県H29事例 散布15日後に防除価90以上の薬剤

  • ラリー乳剤
  • アミスター20フロアブル
  • シグナムWGD
  • ファンベル顆粒水和剤
  • アフェットフロアブル
  • トリフミン水和剤
  • ガッテン乳剤

萎黄病

定植時灌注できる剤

モベントフロアブル

スピロテトラマト水和剤

  • アザミウマ類
  • アブラムシ類
  • コナジラミ類
  • ハダニ類

250倍液の場合株あたり25mL

500倍液の場合株あたり50mL

ベリマークSC

有効成分シアントラリニプロール(IRAC:28)

アブラムシ類、アザミウマ類、コナジラミ類、ハスモンヨトウ 1000倍液 使用時期:育苗期後半から定植当日 使用量:株あたり 25~50mL灌注。

除草剤

土壌処理剤

適用作物 適用病害虫雑草名 農薬の種類 農薬通称 使用時期 希釈倍数使用量 散布液量 使用方法
いちご 一年生雑草 IPC乳剤 クロロIPC 定植活着後 但し定植7日後まで 150~200mL/10a 70~100L/10a 株間土壌散布
いちご 一年生雑草 レナシル水和剤 レンザー 定植後 但し、収穫120日前まで 100~150g/10a 70~100L/10a 全面土壌散布
一年生雑草 アラクロール乳剤 ラッソー乳剤 植付後又は定植後(雑草発生前)但し収穫60日前まで 150~200mL/10a 100L/10a 全面土壌散布又は株間土壌散布
いちご 一年生雑草 ブタミホス乳剤 クレマート乳剤 定植前(雑草発生前) 200~400mL/10a 100~150L/10a 全面土壌散布

イネ科選択性茎葉処理剤

適用作物 適用病害虫雑草名 農薬の種類 農薬通称 使用時期 希釈倍数使用量 散布液量 使用方法
いちご 一年生イネ科雑草(スズメノカタビラを除く) セトキシジム乳剤 ナブ乳剤 雑草生育期イネ科雑草3~5葉期但し収穫開始14日前まで 150~200mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布又は全面散布
いちご(親株床) 一年生イネ科雑草(スズメノカタビラを除く) キザロホップエチル水和剤 タルガフロアブル 雑草生育期(イネ科雑草の3~6葉期)収穫150日前まで 80~120mL/10a 100L/10a 雑草茎葉散布
いちご(親株床) 一年生イネ科雑草(スズメノカタビラを除く) フルアジホップP乳剤 ワンサイドP乳剤 雑草生育期(イネ科雑草3~5葉期)但し、収穫後~定植まで 50~100mL/10a 70~100L/10a 雑草茎葉散布
いちご(親株床) シバムギ フルアジホップP乳剤 ワンサイドP乳剤 雑草生育期(イネ科雑草3~5葉期)但し、収穫後~定植まで 50~100mL/10a 70~100L/10a 雑草茎葉散布
いちご(親株床) レッドトップ フルアジホップP乳剤 ワンサイドP乳剤 雑草生育期(イネ科雑草3~5葉期)但し、収穫後~定植まで 50~100mL/10a 70~100L/10a 雑草茎葉散布

グルホシネート茎葉処理剤

適用作物 適用病害虫雑草名 農薬の種類 農薬通称 使用時期 希釈倍数使用量 散布液量 使用方法
いちご 一年生雑草 グルホシネート液剤 バスタ液剤 収穫前日まで(雑草生育期定植前又は畦間処理) 300~500mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布
いちご 一年生雑草 グルホシネートPナトリウム塩液剤 ザクサ液剤 収穫前日まで(雑草生育期 定植前又は畦間処理) 300~500mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布
いちご 一年生雑草 グルホシネート液剤 バスタ プロ液剤 収穫前日まで(雑草生育期定植前又は畦間処理) 300~500mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布
いちご 一年生雑草 グルホシネート液剤 グリーンスキットシャワー 収穫前日まで(雑草生育期定植前又は畦間処理) 100mL/㎡ 雑草茎葉散布
いちご 一年生雑草 グルホシネート液剤 バスタAL 収穫前日まで(雑草生育期定植前又は畦間処理) 100mL/㎡ 雑草茎葉散布

ジクワット・パラコート茎葉処理剤

適用作物 適用病害虫雑草名 農薬の種類 農薬通称 使用時期 希釈倍数使用量 散布液量 使用方法
いちご 一年生雑草 ジクワット・パラコート液剤 プリグロックスL は種前又は植付前 600~1000mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布
いちご 一年生雑草 ジクワット・パラコート液剤 プリグロックスL 定植前又は畦間処理:雑草生育期 但し、収穫前日まで 600~1000mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布
いちご 一年生雑草 ジクワット・パラコート液剤 マイゼット は種前又は植付前 600~1000mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布
いちご 一年生雑草 ジクワット・パラコート液剤 マイゼット 定植前又は畦間処理:雑草生育期 但し、収穫前日まで 600~1000mL/10a 100~150L/10a 雑草茎葉散布